電話に出た社員の対応一つで会社の印象を左右してしまう電話対応。基本的なマナーを紹介しているので、会社のイメージを落とさないためにも、日頃の電話対応と照らし合わせながらチェックしてみましょう。
会社によって受電ルールが決まっているかと思いますが、3コール以内が基本。「三鈴は職場の恥」という言葉があるように、3コール目がなる前に受話器を取りましょう。3コール以上なった場合には、「お待たせいたしました。」の一言を添えて電話に出るのがマナーです。
「もしもし」はビジネスシーンではNGです。第一声は「お電話ありがとうございます。○○株式会社でございます。」と明るい声で電話に出ましょう。
電話を受けて社名を告げると、今度は相手が名乗ります。その直後に「いつもお世話になっております」と一言入れるのがマナーです。この言葉は初めてやりとりする相手でも同じ。慣れるまでは違和感を覚えるかもしれませんがビジネス上の相づちと認識しておきましょう。
電話口の相手が社名や名前を名乗ったら「○○会社の○○様でいらっしゃいますね。いつもお世話になっております」と復唱しましょう。
取り次ぎ相手が自席の隣にいる時にも、保留は絶対です。また、保留をする場合、相手を待たせないために長くても30秒以内に取り次いでください。取り次ぎに時間がかかりそうであれば、折り返しの電話をするといった対応をし、相手を待たせないよう対応しましょう。
電話に出た時に取り次ぎ相手が外出や離席中で、電話に出られないのはよくあることです。取り次ぐ相手がいない時には、不在であることを伝言があるのかを確認するとよいでしょう。伝言を受ける時には、相手の社名・名前・折り返し先・内容の4点はしっかりとメモするよう気を付けましょう。
一口に電話対応といっても、細かい気づかいやスキルが必要です。対応の良し悪しによっては、顧客に悪い印象を持たれてしまうか、契約に繋がる好印象を持ってもらえるかが分かれるといっても過言ではないでしょう。
ビジネスにおける電話応対のスキルを身につけるために、まずはしっかりと準備をしておくことが重要です。
電話を受ける場所の近くに、メモ用紙と筆記用具を準備しておきましょう。顧客の会社名や氏名を間違えて聞き取ったり忘れてしまったりすることを防ぐため、必ずメモを取りながら電話の対応をします。聞き取りにくい会社名などは、漢字の表記を確認するなどして、正確に書き取りましょう。
取り次ぐ担当社員の内線電話番号がすぐにわかるように、電話番号の一覧表が手元に置かれていることも重要です。
電話は機種によって操作方法が異なります。自分のデスクにある卓上電話や子機などの操作方法をよく調べ、操作に慣れておくことが重要です。取り次ぎに手間取ったり、間違った内線に繋いで時間をロスしたりということを防ぐため、保留の方法や内線の取り扱いなどの基本操作、および社内ルールを確認しておきましょう。
操作に慣れるためには、社員同士で電話のやり取りを行い、顧客役と社員役となり電話対応ロールプレイングを行うなどが有効です。保留になっていると思っていたがなっておらず、こちらの会話の内容が顧客に丸聞こえだった、などといったトラブルは、クレームや悪印象を持たれることに繋がります。そうならないために、何度か操作し覚える必要があります。
また電話の操作方法のみならず、接客マナーについて習得するためにも、ロールプレイングは有効であるといえるでしょう。
たとえ電話であっても、対応する際の姿勢や表情は大切。こちらの気分や態度が声のトーンとなり、相手に伝わってしまいます。相手の顔が見えない電話対応であっても、直接接客する時と同じ態度で行うようにするべきでしょう。
緊張していて表情が硬かったり、体がこわばっていたりすると、声が暗くなりがちです。顧客に対して暗い印象を与えてしまい、会社のイメージダウンにつながる可能性があるため、避けなければなりません。リラックスして笑顔で話すと、相手にも「声の笑顔」を届けることができ、良い印象を持ってもらえることに繋がるのです。
電話は声のみでコミュニケーションを取るツールです。言い方によっては、こちらにそのつもりがなくても、相手にそっけない印象を持たれてしまうことがあります。電話でのやり取りは、相手からこちらの様子が見えないものだということを認識し、良い印象を持たれるように会話の内容を整える必要があるのです。
そのためには、クッション言葉を会話に挟むことがポイントです。
×「ちょっとお待ちください」
〇「恐れ入りますが、少々お待ちください」
〇「恐れ入りますが、少々お待ちいただけますか」
×「戻りましたら折り返しご連絡しますので、電話番号を教えてください」
〇「戻りましたら折り返しご連絡いたしますので、よろしければご連絡先を頂戴できますか」
〇「よろしければ、折り返しお電話いたしましょうか」
「~してください」「~お願いします」などは、一種の命令形であると受け取られることもあります。丁寧語を使っているにもかかわらず、よい印象を与えない可能性があるため注意が必要です。
こちらから提案したり、相手の意向を確認したりするようなクッション言葉や語尾を用いた言い方を心がけることで、相手に選択してもらうという姿勢が生まれ、快く対応してもらうことができるようになります。
ビジネスの場面では、様々な企業からの営業の電話が、会社宛てあるいは個人宛てにかかってくるものです。
営業電話の中には必要なものもありますが、不要なものも多く混在しています。不要な電話であると判断した場合、クッション言葉や相手に配慮する言葉を使いながら、キッパリと対応しましょう。
「恐れ入りますが、ご用件をお伺いしてもよろしいでしょうか」
「そういったご用件でしたら、申し訳ありませんがお断りしております」
「ただいま担当者に確認してまいります。少々お待ちください」
中には社員の名を騙り、営業だと気づかれないように直接ターゲットとコンタクトを取ろうとする場合もあります。個人的なことを聞き出そうとする電話がかかってきた場合は要注意です。すぐに取り次ぐことをせず、要件をしっかり聞き出し、おかしな点があればキッパリと断って、悪意のある電話が社員の仕事の邪魔をすることを未然に防ぐ必要があります。
いかがだったでしょうか。日頃行っている対応と異なる点はありましたか。すべての項目でOKなら概ね問題ないでしょう。相違点が多かった方は要注意。これからの電話対応を見直したほうが良いといえます。どうしても電話対応に苦手意識があり、「マナー違反をしてしまいそう…」と不安な方は電話代行や電話秘書といったサービスもあるので、サービスの利用を検討するのも一つの手かもしれません。
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